ダイビング講習の時に水面移動のシーンで
「水面ではシュノーケルをつけて移動しましょう。」
「潜降前にレギュと交換しましょうね」
と教えて貰う方がほとんどのはず。
しかし実際のダイビングシーンでは一度も着けずにダイビングを終える人、そもそも着けてないよという方もおられると思います。
今回の話はその「スノーケル」本当に必要なのか?というもの。
メリットとデメリットを比較してから考えていきましょう!
この記事の目次
シュノーケルを使うメリット
- 水面でのエアの節約
- エア切れ・レギュトラブル時の水面での移動
エアの節約
レギュレータで出来ること(顔を上げずに呼吸出来るなど)を覗くとこの2つでしょうか。
講習でも習うようにビーチでの水面移動時や、講習中の水面での待機時間にエアを節約出来るのが一番の魅力。
エア切れ・器材トラブル
またエア切れや器材トラブルでシリンダーからの空気を吸えない場合は、水面でシュノーケルをつけることになります。
シュノーケルがなければ顔を上げて泳がないといけないため体が起きます。
もしこの状況で水面の潮の流れが早い場合、水の抵抗が大きくなりエキジットするのが難しくなります。
シュノーケルを使うデメリット
- つけ替えのリスク(シュノーケル⇔レギュレータ)
- 波や潮の流れがある場所でマスクごと引っ張られる
- 仰向けで曳航する時に水を誤飲してしまう
- 器材構成によっては邪魔になってしまう
つけ替えのリスク
まずは「つけ替える」という動作自体がリスクになってしまいます。
つけ替える際に水を誤飲したり、トラブルシューティングの記事で紹介したようにつけ替えを忘れるなど。
そのため確実につけ替えられるように講習では何回も「つけ替え」を行うシーンがあります。
マスクが引っ張られる
シュノーケルはマスクに固定されています。
大きな波が当たった時や潮の流れやうねりが強い場合、シュノーケルが引っ張られてマスクに隙間ができることが。
マスクに隙間が出来たことで冷たい水が顔に当たりパニックになるリスクがあります。
水面で誤飲する
シュノーケルは口にくわえた際、頭の少し後ろを向くようになっています。
そのため顔を水に浸けて呼吸が出来るのですが、呼吸が出来るのはこのときと水面で直立している時だけです。
シュノーケルをつけているのを忘れて仰向け曳航すると先端から水が入って誤飲してしまうリスクがあります。
器材によって邪魔になる
サイドマウントを使用してダイビングをする際は、レギュレータのホースを首の後ろから回して巻きます。
シュノーケルを着けるとホースと干渉するため邪魔になってしまいます。
そのためサイドマウントダイビングではシュノーケルをつけません。
その他、ケーブダイビング(洞窟)でのダイビングでも環境によってはシュノーケルが周囲に干渉するので使用しません。
フルフェイスマスクの場合はつけ替え自体が出来ないため、予備のマスクを着けている時以外は不必要になります。
比較結果
ここまでシュノーケル使用のメリット・デメリットを比較してきました。
見て分かる通りデメリットによるリスクが大きすぎる印象があります。
着ける着けない(マスクに着けるかどうか)を抜きに考えれば、個人的に水面移動でも使用はしません。
ボートダイビングではそもそもレギュレーターをつけてエントリーしているのに、わざわざスノーケルに変えてリスクをあげる必要はないと思われます。
ビーチダイビングでは潜降ポイントが遠い場合は確かにエアの節約になるので有用ですが、これもケースバイケース。
ポイントの水深、ダイブタイム次第ではエアの節約を考えないでも良い場合があります。(水深10mで30分くらいなど)
それでは着けなくても良いかと言われると話は別です。
今度はエア切れ・トラブル時のリスクが跳ね上がるので着けておいた方が良いです。
ということで結論は、
「つけておく必要はあるが、普段は使用しない」
あくまで私個人の意見なので参考までに、ここまで読んで頂いた上で「やっぱりエアが節約出来るのは魅力」という方がおられるならそれもありだと思います。
ただ潜降する前の確認、スノーケル⇔レギュ交換のスキルの練習は必ず行うようにしましょう!
逆に「自分は上手だからこんな邪魔なもんいらねぇぜ!」って方もおられると思いますが、自己責任でお願いします。
検討は以上となりますが、安全は自分で作るもの。
資料は参考までに、「自分で考え、行動する」そんなダイバーを目指しましょう!
それでは。
補足
どうしてもスノーケルが邪魔・器材構成の理由で着けられないと言う方にはこちらがオススメです。