今回はダイビング中の「吐き気」について。
この記事を読むと、潜っている最中に「なんか気分が悪い」「吐きそう」といった原因不明の症状を解消する手がかりになるかも。
この記事の目次
ダイビング中の吐き気の原因
波酔い
船酔いと同様の理由で吐き気を催すことがあります。(動揺病)
原因は文字通り「波」や海中の「流れ」「うねり」です。
目からの情報と体からの情報のアンマッチによって発生します。
うねりがある際は岩などに掴まって体を固定すると症状が悪化することがあるので、なるべくうねりに身を任せます。
少しの波やうねりでも酔うことがあるので、水面付近に居る時間を少なくすると波やうねりの影響を受けづらいです。
早めにエントリー、遅めにエキジットするとエキジット後の船酔いリスクも少なくなります。
スーツ・器材
ドライスーツやウェットスーツの窮屈感、BCDのベルトの締めすぎ等で発生します。
特に船や陸上で感じやすいので、ダイビング直前までスーツを通すのは腰までにしておきましょう。
レンタル器材が体に合わない場合は、他のサイズに変えて貰う、オーダーメイドでスーツを作ることも検討。
ダイビング中に気分が悪くなったら、バランスは悪くなりますがBCD・ウエイトベルトを少し緩めると症状が和らぎます。
空気を飲む
水中で呼吸中に空気を飲んでしまうと、胃が膨らむため吐き気を催します。
特に水面付近では空気の膨張・収縮が大きいので症状が出やすいです。
呼吸を止めて唾を飲み込む際に空気も合せて飲み込みやすいので、「呼吸を止めない・唾を飲むときは息を吐いてから」を意識してみましょう。
また中性浮力をしっかり取ると空気の膨張・収縮を繰り返すことが減るので効果があります。
寒さ
水中の寒さも無視できません。
「寒暖差疲労」と呼ばれるものが有り、寒いときには体温を維持するため特にエネルギーを消費します。
併せて筋肉や血管が収縮し血流が悪くなるため吐き気を引き起こします。
水温に合せて適切なスーツやインナーを選択しましょう。
最近では防水性のヒートベストも販売されています。
姿勢
水中で逆さまになると胃から腸の方向に空気が流れます。
また上下の感覚がなくなると三半規管が麻痺して吐き気を引き起こします。
自由に潜れるのが一番ですが、気分が悪くなってしまう方は姿勢の見直しを行いましょう。
酸欠(過呼吸)
動きすぎによる呼吸の乱れやストレスによって息を吐いていない状態が続くと、体内の二酸化炭素量が増えて吐き気を引き起こします。
吸うのと同じだけ息を吐くことも大切です。
呼吸が乱れていると感じたときは、体を固定し落ち着くまでゆっくり呼吸を行います。
ストレス
大きなストレスを感じると自律神経が乱れます。
そうすると脳幹にある嘔吐中枢の刺激→胃酸の過剰分泌が発生、吐き気に繋がります。
自分のストレスの原因を突き止め対応することが大事になります。
減圧症等
Ⅱ型減圧症の中の内耳型の症状にめまい・耳鳴り・吐き気などがあります
浮上後2~3時間以内に発症するとされています。
特に18m以深で発生しやすいそうです。
ダイビング後時間をおいても吐き気が治まらない場合、念のため病院で検査をして貰いましょう。
気胸の場合でも軽度だと風邪の症状に似ていたりするので気づかない場合があります。
ダイビング後の体調不良・体調の変化を軽視してはいけません。
全体的な対策
色々と「吐き気」に対する要因はありましたが、全体的に効果がある対策を紹介して終わります。
- ダイビング前は充分に休息・睡眠を取る
- 酔い止めを飲む
- 控えめなダイビングをする
- ストレスの原因を潰す
- 急浮上をしない
吐き気を抑えて楽しいダイビングを!
それでは!