前回ダイビングで発生する潜水事故の背景に「モラル・ハザード」が関係しているという記事を書きました。
安全装備や新しいダイビングスタイルによって、ダイビング中の危険意識や注意義務の低下が起きていると言うものでしたね。
今回はその「モラル」や似たような言葉「マナー」の部分に触れつつ、「安全に」「楽しく」ダイビングを行うのに必要な要素を考えて行きます。
- モラル・マナーとは
- モラル・マナーを守る意識があればいいのか
- ダイビングに必要なSとMについて
この記事の目次
モラル・マナーとは
まず大前提として、そもそも「モラル」とは何だろう?と言うことですね。
モラルとは英語で「moral」、道徳・倫理と言った意味の言葉です。
物事の善悪を判断する基準や、社会で守るべき基準などの行動規範のことをさします。
似たような言葉に「マナー」がありますが、こちらは礼儀や作法などの相手・環境・状況によって変化するものです。
それと比べると「モラル」は今までの経験・体験や「こうあるべき」などの主観的なイメージなどによって作られているみたいですね。
このような礼儀やルール、道徳があれば好感度や信頼度が上がったり、より良い環境を作ることが出来ます。
逆になければ信用の失墜を招いたり、居心地の悪い環境を自ら作ることになります、こちらは少しのことで簡単に起きることがあります。
モラル・マナーを守る意識があればいいのか
それではこのモラルやマナーを守る意識があればいいのかと言うと少し間違い。
確かに守ろうとする意識は大事です、そこがスタート地点になります。
しかし実際にモラル・マナーを守る行動を取るにはそれだけではいけません。
行動に反映する為のスキル(Skill)が必要になります。
実際のダイビングシーンで例えるなら・・・。
この様に自分では意識を持って行動しているつもりでも、それが出来ていなければ相手からすればモラルもマナーも守れない人と見なされます。
もちろん意識がなければ行動も出来ません、「意識(mind)」と「行動(skill)」両方を兼ね備えることが大事になります。
S(skill)×M(mind)=モラル・マナーになるのです。
ダイビングに必要なSとMについて
Skill×Mind
前項で触れたとおり、モラルのある行動をするには一定のスキルが必要です。
意識があるダイバーは目的の為にスキルを磨くことが多いので上手に潜れるようになります。
スキルはあるが意識のないダイバーは一見モラルのある行動をしているように見えますが、あまり周りを見ることがありません。
少なからず誰かに不満を抱かせたり、自分の目的の為に環境に良くない行動をしがちです。
Safety×Mental
安全にダイビングを続けるにはストレスを管理するメンタルが大事です。
強いストレスを受けるとパニックに陥り、視覚狭窄・不安全行動(急浮上・レギュレーターを外すなど)に繋がります。
ストレスに強くなる、ストレスを軽減する対策を取る、パニックを事前に防止することが大事になります。
自分だけ出なくバディのストレスを軽減する行動も大切です。
もしトラブルが発生した時に自分とバディ共々パニックに陥ると、リスクが跳ね上がります。
Service×Motivation
水中や陸上で楽しませる、相談に乗る、店舗や設備を充実させるなど、サービスの質を高めることでゲストに満足して貰えます。
満足度の高いゲストは意欲的にダイビングをする為にショップに訪れたり、継続教育を受けるようになります。
またゲストに満足して貰うことでプロ側の意欲も高まり、さらにサービスが向上する可能性があります。
Sincerely×Mate
ダイビング仲間やバディに誠実な態度で接することで、より良いダイビングライフを送ることが出来ます。
特にバディは水中で安心感を得ることが出来るのでストレスの軽減にもなります。
誠実は態度・行動はノンダイバーの方にも良い影響があり、ショップ近隣の方からの理解を得られたりダイビングを始めたいと思う方が増えるかも知れません。
Soul×Muscle
身体を鍛えましょう、その先に答えがある。
終わりに
今回はダイビングに必要な要素をSとMに当てはめて考えていきました。
いずれにしてもダイビングを続ける・楽しむ為には大事なことです。
しかし意識しすぎるあまりダイビングが億劫になってはいけません。
全力でダイビングを楽しみながら、時にはこういったことを思い出すくらいでも良いかと思います。
「安全に」「楽しく」ダイビングをするスキルを磨く為に継続教育を行うことも推奨されています。
別記事でも紹介しているので良かったら見て頂けたらと思います。
身体は鍛えるに超したことはありません。
それでは!