晴れてCカードを習得されダイバーになった皆さん、おめでとうございます。
オープンウォーターの講習を終え、ほっと一息。
これからのダイビングライフに胸を踊らせている方も多いと思います。
今回はそのダイビングライフを送るに当たって、避けては通れない疑問についての記事になります。
皆さんは講習を受けたショップで「そのままステップアップ講習をやりませんか?」と聞かれた覚えはありませんか?
オープンウォーター講習を終えた皆さんは、今回習得されたCカードが所謂初級者ライセンスとか言われるものだということは分かっているかと思います。
またその先にいくつもの選択肢があるということも。
しかし実際にそれを習得したらどんなことが出来るの?と疑問に思っている人もいるはずです。
この記事ではそんな初級者ライセンスからのステップアップとか継続教育とか言われるものを紹介していきます。(Proコース以外)
※私はPADIでのCカード習得者のため、PADIの教育システムの流れに沿って説明します。
この記事ではステップアップコースではありませんが、スペシャルティダイバー(SP)についても記載しています。
これはステップアップの条件にSP取得が含まれているものがあるからです。
この記事の目次
アドヴァンスド・オープンウォーター・ダイバー (+アドベンチャー・ダイバー)
※アドヴァンスド・オープンウォーター・ダイバーはAOW、アドベンチャーダイバーはADVと略されます。
※オープンウォーター・ダイバーはOWDです。
ダイビングには色々な楽しみ方があります。
水中写真を撮ったり、より深く潜ったり、究極の中性浮力を目指してみたりとその方向性は様々です。
そしてこのダイビングの様々な形の入り口として俗に「アドベンチャーダイブ」と呼ばれるものを用意しています。
※現在のアドベンチャーダイブは25項目
これは専門性(より深く潜る、水中でのナビゲーションをする等)のあるダイビングについての一部分を体験して貰おう、と設けられているものになります。
習得条件
- ADV・・・先述のアドベンチャーダイブの中から3つを体験したダイバー
- AOW・・・必須科目「ディープダイブ」「水中ナビゲーション」を含む5つのアドベンチャーダイブを体験したダイバー
- AOWを持っていればほぼ制限なくダイビングができる
- 同様に周りのダイバーのポイントが制限されない
- 後述するスペシャルティダイバー講習の1dive目としてカウントできる
- ダイビングの楽しみの幅を広げられる(様々なダイビングの形について知ることができる)
- ある程度の余裕が生まれる
- ディープダイブを体験すれば30m深度まで潜ることができる
流れの早いポイントや深場のポイントはAOW相当以上のCカードを持っている人に限定されていることが多いです。
その為いざダイビングに行っても潜りたいポイントに連れて行って貰えないこともしばしば。
一人がAOWを修得していないと、一緒に潜るメンバー全員がその制約を受けるようになります。
アドベンチャーダイバーの方はディープダイブを行なっていないとOWDと一緒で最大深度は18mです。
3つの中の1つはディープダイブを入れることをお勧めします。
このコースはOWDの学科講習の最後にしたような確認テストは無く、テキストに記載されているナレッジリビューのみとなります。
スペシャルティダイバー
前項AOWで行ったアドベンチャーダイブの項目を含み、特定のダイビング環境、スキル、環境に対応するための能力を育てるものになります。
あくまで能力を育てるものなのでプロになるコースではありません。
一部のスペシャルティにはAOWであることが前提条件になっているものもあります。
中には「ディスティンクティブ・スペシャルティ」といって独自性のあるニッチでコアなSPもあります。
ご当地SPやらユニークSPやら言われます。
レスキューダイバー
略称をRED
時たま「自分のことを一通りできるようになります!」とか言われるやつです。
「自分のことを一通り」はOWDに於いての定義なので間違い。
実際にはOWD習得時点ではスキルが未熟な為、この様な言い方をしている感じです。
本来の目的としてはOWDで習ったレスキュー(足の攣りの治し方など)スキルや事故防止の視野を広げることなどの事故管理能力を育てるもの。
トラブルダイバーに対しての対応など「自分だけでなくバディも」を勉強します。
事故者を水底から引き上げたり、人工呼吸しながら曳航したり、陸に引き上げたりとかなりしんどいコース。
コース終了後くらいに「楽しい」って感情が生まれます。
- 自分のことが…
- 自分だけでなく周りに目を向けられる余裕が生まれる
- 事故管理能力の向上
- それなりのやりがい
RED認定の為にはEFR(エマージェンシー・ファースト・レスポンス)の認定も必要です。
人工呼吸や心臓マッサージ、外傷に対する処置などを行う教育です。(自動車免許の講習などで行うやつを想像して頂けたらOK)
ダイビングショップによってはREDの講習費用とは別口でEFRの講習費用を設定しているところもあります。
「RED挑戦します!」と言った後に想定以上の出費となり、別の意味でトラブルダイバーになってしまう人もいるので注意が必要です。
RED認定までに掛かる予算(RED講習料、EFR講習料、2つの講習の認定申請費用、海洋実習に掛かる施設のサービス料や交通費など)を諸々込みで確認しましょう。
マスター・スクーバ・ダイバー
略称をMSD
- RED認定を受けている
- 50ダイブ以上の経験がある
- スペシャルティを5つ以上所持
となります。
この申請条件をクリアしていると、
なんと申請料だけでMSD認定となります!
習得すると栄誉と粗品が手に入ります、それだけ。
- 栄誉(レクリエーションダイバーとしての最高峰のランク)が手に入る
- ダイビングショップによっては認定されているとダイビング料金が割引になるところがある
- プロコースであるダイブマスターに必須のものではない
- ダイビング料金の割引には条件があることも
→対象のショップにてOWDからMSDまでを一括で受けた場合による、メンバー人数や季節によっては割引適用外になる、などの条件があり意外と割引にならない。
※そういうことは大概、片隅に小さく記載されてある
終わりに
以上がステップアップの道のりでした。
ステップアップにはそれぞれ講習費用、申請費用が掛かります。
決して安いものではないので、そのコースが本当に自分に必要かどうか考えてから受ける様にしましょう。
またステップアップ講習・スペシャルティ講習を申し込む場合は、習得までに掛る全費用をあらかじめ見積もりして貰いましょう。
海に講習に行く度に追加料金が掛るというものはショップとのトラブルの元。
全額先払いし、講習開始~Cカード習得までは金銭が発生しないのが理想です。
ステップアップされる方もされない方も楽しいダイビングライフを送ってください!
それでは。