今回は文字ばかりで読みにくいかも、まとめだけでも目を通してみてください。
この記事の目次
はじめに
今回はダイビング中の「疲労感についてのお話。
過去の投稿で無理矢理泳ぐと二次トラブルを誘発すると書きました。
この記事で書いた二次トラブルについても触れていきます。
急な疲労感と二次トラブル
無理な泳ぎによる疲労の影響はすぐに現れることもあれば一息ついてから現れることもあります。
疲労を感じるピークには個人差があるのです。
疲れから息切れを起こしたりしますが、その息切れが後からやってきた場合は「急に」呼吸がし辛くなったと感じます。
※このトラブルの時は無理に泳いで潜降、落ち着いた時に息が切れ出す状態でした。
スキップ呼吸(息を吸う→止める→吐く→止める→・・・)も疲労の原因です。
呼吸を止めると体内空気の換気量が減ります。
血中の二酸化炭素の増加が呼吸を促し、息切れにつながります。
寒いときも注意が必要です。
- 体温を維持しようとして体がエネルギーを消費し、疲労を生じる。
- 体が冷えることで血管が収縮しガス交換が滞る→減圧症リスク大
この場合は特に体を動かさなくても「急に」疲労を感じることがあります。
ある時を境に体が大きく震え出し呼吸が荒くなります。
このようなときに起こる「急」な疲労感、息切れは非常に危険です。
急に空気が吸えなくなった、いくら呼吸しても苦しいまま。といった誤解をしてしまいます。
特に「呼吸をしても苦しい」と言う状況は口からレギュレーターを外してしまう原因にもなります。
あまりの苦しさからレギュレーターの外側(水中)に空気を求めてしまうのです。
またパニックになり水面に急浮上する判断をしてしまうことも。
トラブルへの対応
一番に言われるのがロープや岩場などをつかみ「体を休める」ことです。
体を休め、呼吸を整えることが大切になります。
疲労感を持ったダイバー自身は正確な判断ができなくなる場合もあるので、バディが手助けをすることも大切。
体を休めることを促したり、レギュレーターを外す・急浮上することへのリスクに備えて監視します。
またパニックになったダイバーはエア欲しさに自分が吸っているレギュレーターを奪いにくる可能性もあるので注意します。
それこそ「レギュレーターはくれてやる」くらいの気持ちでいましょう、その場合落ち着いてオクトパスに切り替えます。
明らかに低体温が覗える場合はダイビングを中止します。エキジット後に体を保温することを忘れずに。
暑さ・寒さに対応するために適切なスーツ選びをすることも大切です。
減圧症と疲労の関係
減圧症の症状の中で無視できないのが「ひどい疲労感」です。
ダイビング自体が負荷の高い疲労を伴うアクティビティだということ。
前述の寒さなどで疲労が生じること。
そのような理由で疲労を感じることもあるので、減圧症に「疲労感」という症状が起こるメカニズムはまだよく分かっていないそいうですが・・・。
動脈系の気泡による心臓発作やめまい、消化器系への影響などが係わる場合があるので無視はできません。
まとめ
Ⅰ:疲労感の原因(一部)
- 負荷の大きい運動
- スキップ呼吸
- 低体温
Ⅱ:急な疲労感による二次トラブルに注意
- 息切れで呼吸難、レギュを外したり急浮上する可能性あり
- 体が冷えることで疲労することもある
- 低体温の場合、血管が収縮しガス交換が滞る→減圧症リスク大
Ⅲ:トラブル防止の対応
- 息切れを起こしたときは体を休める
- ゆっくり大きく呼吸する
- 酷い寒気の場合はダイビングを中止し、保温
- 適切なスーツ選び
- バディによる注意喚起・監視
「酷い疲労感」が減圧症の症状でもあることを忘れないように。
体に違和感があるときはダイビングの中止も検討すること。
体調が悪くなったときのハンドシグナルも追加されています。
疲労・息切れの知識を持ち対応することで、パニックになるリスクを減らせます。
安全な行動を心掛け、楽しいダイビングをしましょう!